JA埼玉みずほ

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法律相談

相続人の範囲非嫡出子も相続人資格あり

質問

 つぎの人は、相続人になるのでしょうか。
1.入籍していないが長年夫婦として生活を共にしてきた妻
2.後妻の連れ子
3.父から認知されていない子
4.他人の養子になった子
5.孫
6.甥(おい)姪(めい)
7.従兄弟(いとこ)

回答

1.入籍していないが長年夫婦として生活を共にしてきた妻

 相続人になることのできる配偶者とは、法律上の夫婦、つまり入籍している夫または妻でなければなりません。ですから、長年夫婦として生活を共にしてきても、内縁の妻は、夫の相続人となることはできません。

2.後妻の連れ子

 相続人となることのできる「子」には、血のつながりのある「実子」と、法律上の親子関係である「養子」が含まれます。血縁関係のない子は、「実子」ではありませんから、連れ子は養子縁組を結ばない限り、義父の相続人となることはできません。

3.父から認知されていない子

 非嫡出子(婚姻関係のない男女の間に生まれた子)であっても、相続人となり得る資格はあります。

 しかし、相続人、つまり子として法律上認められるためには、父に認知(自分の子として認めること)してもらうか、子などから父を相手方にして「認知の訴え」を提起して、判決により父子関係を認めてもらうことが必要です(民放781条、同787条)。

 ですから、このままでは相続人となることはできません。ただ、父は遺言でも認知することができますし(同781条2項)、父の死亡後3年以内であれば、子などから「認知の訴え」を提起して、判決により認知してもらうこともできます(同787条)。

4.他人の養子になった子

 他人の養子になっても、「実親」との間の親子関係がなくなるわけではありませんので、「実親」の相続人たる資格を失うことはありません。ですから、養子は「養親」および「実親」の双方の相続人となります。

 ただし、「特別養子縁組制度」(同817条の2)に基づいて養子になった場合には、養子は実親およびその血族(祖父母・兄弟姉妹など)との親族関係が終了しますので、実親の相続人となることはできません。

5.孫

 父または母が、祖父または祖母の死亡前に死亡した場合には、孫が祖父・祖母の相続人となります(代襲相続、同887条2項)。この「孫」も、祖父または祖母の死亡前に死亡した場合には、この孫の子、すなわち曾孫が相続人になります(再代襲、同887条3項)。

6.甥(おい)姪(めい)

 甥・姪が相続人となる場合とは、父または母の兄弟姉妹、つまり叔父(おじ)・叔母(おば)が死亡し、その叔父・叔母に子、孫、曾孫などの直系卑属(第1順位の相続人)、および父母、祖父母などの直ちょっけいそんぞく系尊属(第2順位の相続人)がいない場合です。

 そして、その場合には叔父・叔母の兄弟姉妹である甥・姪の父または母が相続人(第3順位の相続人)となりますが、当該父または母が死亡している場合には、甥・姪が亡き叔父・叔母の相続人となります(代襲相続)。ただ、この場合は、子の相続の場合とは異なり、兄弟姉妹の相続では再代襲は認められませんので、甥や姪の子が相続人となることはできません。

7.従兄弟(いとこ)

 従兄弟(親どうしが兄弟姉妹)が死亡しても、従兄弟どうしは、相互に相続人となることはありません。


(弁護士 長島佑享)