落ち葉堆肥と生ごみ堆肥
園芸研究家●成松次郎
落ち葉堆肥とは
広葉樹の中でも、ケヤキ、コナラ、クヌギなどが堆肥材料に適しています。落ち葉堆肥とは、落ち葉に米ぬか、油かす、骨粉などの有機質肥料を加えて発酵させた物で、肥料分を含んだ堆肥になります。
落ち葉堆肥の作り方
- 壁を利用したり、ベニヤ板でコの字形などの囲いで堆積場を作ってもよい。
- 落ち葉を20cm程度の厚さに積む。米ぬかや油かすなど(落ち葉の重さの1~2%程度)をサンドイッチ状に積み重ね、水をたっぷりまいて踏み固める。
- れを繰り返して1mくらいに積み上げる。
- 1カ月に1回程度切り返し、落ち葉がボロボロに崩れてきたら(1年程度)完成です(図1)。
生ごみ堆肥とは
有機物である生ごみを微生物の働きで堆肥としてリサイクルすることができれば、ごみの減量に役立つだけでなく、地力を高めることもできます。
生ごみの90%以上は水分で、残りの大部分が有機物です。乾燥させて水分を飛ばすだけで減量し、元の重さの5分の1以下になりますが、これは堆肥ではありません。生ごみに米ぬかや油かすなどを加えて発酵させた物が生ごみ堆肥です。
生ごみ堆肥の作り方
- 釣り鐘形のプラスチック容器(コンポスターなどの名称で販売)やポリバケツ(ふた付き)の底を切り取った容器を、土中20cm程度の深さまで埋める。
- 水を切った生ごみを投入し、同量の乾いた土や落ち葉を重ねて入れる。容器が満杯になるまで繰り返す。悪臭や虫の発生を抑え、ごみの分解を早めるために、米ぬかをまぶしておくと良い。
- 満杯になった後、1カ月以上放置しておく。一般家庭では、200L程度の容器を2個使い、1個目が満杯になったら2個目にごみの投入を始めれば、ほぼ年間を通して生ごみの処理と堆肥作りができる(図2)。なお、生ごみ堆肥は窒素を5%程度含み、肥料効果が高いため、生ごみ堆肥だけで栽培するときは、1平方m当たり3~4kgにします。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
成松次郎(なりまつじろう)
神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。