高温好みで乾燥を嫌う、サトイモ作りのポイント
山で採れる山芋に対し、人の住む里にできることからサトイモの名があり。原産はマレー半島付近の熱帯の多湿地。日本には中国を経て渡来、稲作以前は日本の主食であったとされる野菜の大先輩です。
主成分はでんぷん質。加熱すると糊化(こか)し消化吸収しやすくなり、カリウムが豊富に含まれ、意外に低カロリー。体脂肪や生活習慣病が気になる人にもお薦めです。
親芋が中心にあり、子芋、孫芋がその周りに付くサトイモには、通常子芋、孫芋を食べる子芋用と親芋を食べる親芋用、葉柄を食べる葉柄用があります。
通常は子芋用の「土垂」や「石川早生」などを選びますが、好みによって親芋用の「京いも」や親子兼用の「八つ頭」、葉柄用の「蓮芋」なども用います。
サトイモは連作障害が出やすい野菜なので、少なくとも3〜4年作ったことのない場所を選んで栽培しましょう。
高温性で生育適温は25〜30度、植え付けは十分地温が上がってから、植え付けの深さは7〜8cm。植え付けたら畝上にポリマルチをし、地温の上昇を図ります。
マルチの下で、芽が伸び始めたら遅れずにフィルムを破り芽を上にのぞかせます。
芽が勢い良く伸びだしたら、太い芽1本だけを伸ばし、小さな芽は早いうちにかき取ります。土寄せ前なら芽を倒して土で埋めてしまうのも良い方法です。
本葉が5〜6枚になった頃、畝の通路側に肥料(1株当たり油かす大さじ3、化成肥料大さじ2が目安)をばらまいて、土と混ぜ合わせながら株元に土寄せをします。
マルチフィルムは片寄せして作業し、再び覆います。土寄せの厚さは4〜5cm程度にし、2〜3週間置きに3回ほど行います。第2、3回の土寄せの前にも第1回同様に追肥しますが、葉が茂り過ぎなら肥料は控えめにしてください。第3回はマルチを除去して作業します。あまり遅くまでマルチをしておくと高温と乾燥のために芽つぶれやひび割れなど、子芋の障害の原因になるので注意します。
サトイモは日照り不作といわれるほどに、夏の乾燥には弱いです。降雨が少なく、土が乾き過ぎるようでしたら灌水(かんすい)を心掛けましょう。
例年乾きが激しい畑には作付けしない方が良いでしょう。
※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。