取りたての味が魅力のサヤエンドウ
比較的狭い畑で、誰でも成功しやすいのがサヤエンドウです。5月下旬から6月にかけて、毎日多くの若さやが収穫でき、汁の実、煮物に新鮮な味わいを提供してくれます。
育て方のポイントは、(1)連作畑を避けること、(2)まきどきを誤らないこと、(3)冬に株が風に振り回されないよう風よけを設けること、(4)伸びたつるがよく絡むよう支柱を立てることです。
エンドウは野菜の中で最も連作を嫌う性質があります。4~5年は作ったことのない畑を選んで栽培しましょう。
種まきの適期は関東南部以西の平たん地では10月20日前後ですが、これより寒い地域では少し遅く月末ぐらいに、暖かい地域では少し早く上旬ぐらいにと差をつけます。寒い地域で早まきすると、大きく育ってから厳しい寒さに遭うため寒害を受けてしまいます。地域の慣行を調べて決めてください。
サヤエンドウは茎葉がか弱く、越冬中に株が風に振り回されると、茎が折れ、枯死したりしやすいので、草丈が10~15cm以上に伸びたら、短い竹を交差させて立て、株を固定したり、畝に沿って稲わらを半折れにして下方を土に埋め、簡単な風よけを作ったり、べた掛け資材で覆ったりして、寒風から守りましょう。
厳寒期を過ぎ、草丈が20cmぐらいになるころには、小さな巻きひげも出るので、早めに支柱を立て、これに絡み付くようつるを誘引してやりましょう。支柱の材料としては、細枝のたくさん付いたササや、子枝の付いた木の枝などが最良ですが、入手できない場合は、木ぐいに横竹を渡し、所々に稲わらを小束にしてつるす方法、果菜用の支柱竹を交差させて立て、横に2~3段ほどプラスチックひもを渡したり、キュウリの誘引ネット(網目15cmぐらい)を取り付けたりする方法など、いろいろ工夫してみましょう。
前作に野菜を作った畑なら肥料分は多くは必要ありませんが、不足気味なら越冬前に、畝に沿って軽く溝を作り、1株当たり化成肥料を大さじ1杯ぐらい、本支柱を立てた後で、畝の反対側に同量の肥料を施し、土を返して畝を形作ります。
畑にじかまきした場合、発芽時に鳥害を受けることがあります。発芽して緑葉が伸び始めるまで、べた掛け資材で覆ったり、苗を育てて植え出したりして回避しましょう。ハモグリバエの幼虫の被害(絵を描いたような食害)を受けることもあります。早めに発見し農薬を散布して防ぎましょう。
板木技術士事務所●板木利隆