中国野菜の立役者チンゲンサイ
中国の中部辺りが原産の野菜です。戦後、中国から導入、あるいは再導入(以前に導入したが定着しなかったため)された野菜は相当数に上りますが、食味や調理特性が認められ根づいたものはごく少数しかありません。そのまれな野菜の代表格がチンゲンサイ。まさに中国野菜の立役者といっていいでしょう。
シャキシャキした歯触り、ほのかに甘味のある味わい、そして熱を加えても煮崩れ、色あせしない特長は、いため物、クリーム煮、あんかけ、おひたしやあえ物、肉料理のつけ合わせにと、中、和、洋ともに使いやすいのが人気の元です。
家庭菜園の露地で良品を収穫しやすいのは、これから種まきする作型からです。
おすすめの品種は、早生で育てやすい、定番の「青帝」、暑さに強く歯切れのよい味の「長陽」、手のひらサイズで丸ごと調理できるミニチンゲンサイの「シャオパオ」などです。一定間隔(株間15㎝)で楽にまけるシーダーテープ入りも販売されています。
苗作りは、128穴のセルトレイを用いてセル成型育苗にすると、そのまま引き抜き、畑に定植できるので便利です。少ない苗数でよければ、育苗箱にまいて、本葉1枚のころ3号のポリ鉢に直接種をまき、そのまま苗に育て上げ、畑に定植してもよいでしょう。
残暑の時期から育てるので、畑には前作が空き次第、石灰または苦土石灰を適量まき、よく耕しておきます。元肥には良質の完熟堆肥(たいひ)、油かす、化成肥料などを全面に耕し込んでおきます。
生育が早いので、定植後半月と、その後、育ち盛りに入ったころに化成肥料を株の周りに追肥し、軽く土に混ぜ込んでおきます。高温期に乾き過ぎると石灰の吸収不足によるチップバーン症状(新葉の先の緑が褐変)が出ることがあるのでかん水に留意します。
アブラムシ、コナガ、キスジノミハムシなどの被害を受けやすいので、苗床での薬剤散布や定植後の防虫被覆資材による防除を行ってください。